セカイカメラ、拡張現実と日本

たとえばARとソーシャルの組み合わせの一例として、セカイカメラでは「エアプロフ」と言って、セカイカメラユーザーのソーシャルグラフ(フォロー関係やすれ違い履歴など)を現実空間で可視化してそれを眺めることができます。
このような仕掛けの上に現実空間型のソーシャルゲームがAR環境で実現すれば、それこそ電脳コイル東のエデン攻殻機動隊などの世界観の現実化とも言えます。このような確固たる文化的バックグランドは、今後「ソーシャルAR」という戦場において日本に大きなアドバンテージとなることでしょう。

また、日本のソーシャルゲーム・プロバイダーは位置情報系への対応も速かった上、そのマネタイズに於いても大きな成果を挙げつつありますから、これを世界展開できれば相当な経済効果を期待出来るでしょう(Zyngaのゲーム決済がPaypal決済額の第二位であることを考えてもソーシャルゲームの市場規模は巨大です)。
ソーシャルグラフソーシャルゲームの発展系としてのMobileAR環境は、日本国内の有力ソーシャルゲーム・プロバイダーが世界展開する際の強力なビークルになるべきなのではないでしょうか。

拡張現実はデバイスの進化とともに画像認識やサーバーサイド処理などを組み合わせる事で、体験性やサービスの奥行き(スティッキーな利用スタイルの発展)を進化させています。
そうして、拡張現実の空間がよりソーシャルな個人間ネットワーク、つまり共感と共鳴を通じてパーソナルな交流・交感をどの程度可能にして行くのか?究極的にはFacebookを超えるソーシャルネットワーキングを実現可能なのか?日本はその中でどのようなポジションにつくのか?今はまさに激動の時代の夜明けであり、全く目が離せない状況だと言えるでしょう。