2011年の拡張現実

さて、デバイスにそのような動きがある今、ARアプリケーションが手に入れるべきスペックには大きく分けて二つのトピックスがあると思われます。

1) イメージベースのAR

従来は処理能力や開発ツールの制約などによってなかなか実装出来なかった、イメージベースのARが大きく現実化に向けてついに動き始めます。つまり、PTAMやOpenCVなど、「見えている物を把握してスペースやオブジェクトを扱う」ARの登場です。これまではマーカータイプのいろいろお膳立ての必要だった領域がいきなりシームレスに扱える様になります。

2) ダイナミックなサーバーサイド処理

従来は、ウェブサービスマッシュアップを閲覧するという比較的静的なARが主流でしたが、今後ネットワーク速度の向上やクラウドサーバーの能力向上などを積極的に活かす事で、より動的なARが可能になります。ユーザーの位置や状態、入力などに応じて自動的に拡張現実空間内の情報が書き変わったり、ユーザー・インタラクションの内容が組み変わったりという応用が進みます。

これらが発達していくことがARの発展に大きく寄与することは間違いないでしょう。目の前に広がる現実世界をしっかりと認識した上で、様々な変化を楽しめるインタラクティブなAR空間がシームレスに展開される、そのような未来がもうすぐそこにあるのです。