ゴールデンウィーク最終日はアート三昧

昨日は息子と池袋のナンジャタウンに出掛けて餃子とプリンをたらふく食したのですけど、今日は(息子不参加表明につき)以前から行きたかった美術展をはしごしました。コースは東京国立博物館 表慶館の「Story of ...」(吉岡徳仁氏のディレクションによるカルティエコレクション)→東京国立博物館 平成館の「阿修羅展」→東京都写真美術館の「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」という順序。

何にも増して素晴らしかったのが「グランドマザーズ」です。“完璧”という言葉では言い足りないプリントの数々を“これでもか!”と堪能出来ました。
ただ、新作プリントは「寓話」シリーズとテイストが少し混じっている感じがして、今までの発表作品に比べるといい意味での俗っぽさが減っている気がしました。そして、それはちょっとだけ残念だったかも知れません。

「寓話」シリーズの洗練された抽象性に比べたとき、あの通俗性から匂い立ってくるような崇高さ、その対比感覚が大好きだっただけに...。とはいえ、あのレベルの写真表現に気軽に触れられるのはすごく貴重な事ですし、東京に住んでて良かったと思わずにはいられません。やなぎさんには以前桂にいらっしゃった頃にご自宅にお邪魔したこともあり、非常に近しい感情があります。でも、そういう身びいきを抜きにしても現在最高レベルの表現である事は確かだと思います。

写真を芸術表現として正当に評価する気運はようやく最近盛り上がって来た気がしますし、昨年のパリフォトでも大勢の優れた日本人作家達が紹介をされていました。でも、まだまだその認知と理解は不十分なんじゃないかと思います。そして、やなぎさんの作品は単なる写真作品という枠さえ超えた独自の存在ではないかとも思いつつ、僕自身それをうまく言語化できません。
ただ、鑑賞中周囲の鑑賞者達が(主に女の子)何かに打たれた様に立ちすくんでいる様子をうかがう限り、やはりその何か言葉にし難い部分は視覚を超えて伝わっている気がします。